第33回・平成15年度の優秀賞受賞者作品
中原悌二郎賞優秀賞  
 
多和 圭三/沼
TAWA Keizo/Abyss

受賞の言葉
 『沼』と題したこの作品は、1995年タカシマヤの美術賞でいただいた賞金で、何を作るでもなく買い求めて置いた3トン余りの鉄で作ったものです。到達点を決めないで玄翁を振り下ろし、鉄の変化を見て右往左往しながら、表われ出て来るものを受け止め反応する。こんな事を、途中何度となく中断を挿みながら続けた結果が『沼』に成りました。
 叩く仕事を始めて20年余り経ってしまいました。叩くと言う行為を続けると私の方では、身体一脳と肉体一心とが、どちらがどうと言う事なく役割を取り換えながら次のような事が起ります。どちらかが押し進めればどちらかが押し止め、どちらかが押し止めればどちらかが押し進めようとする力が働きます。
言える事は、体を媒介として起っていると言う事です。
 鉄の方には、何が表われ何が見えるかは、実物を目の前にして肌で感じていただければと思います。
 最後になりましたが、20数年と言う長い間、余り変り映えのしない仕事にも拘らず、御力添えいただきました方々に感謝いたします。そして厚かましくも、これからも宜しくお願いいたします。

多和 圭三 略歴

1952 愛媛県越智郡大三島町肥海に生まれる
1978 日本大学芸術学部芸術学科彫刻専攻卒業
   「所沢野外展」(所沢航空記念公園)
1981 個展「弛緩」(真木画廊)
1982 「平行芸術展」(東京小原流会館)
1984 「現在位置展」(横浜市民ギャラリー)
1988 個展(アトリウム)
   個展(ギャラリー現)
1991 個展(ときわ画廊)
   個展(ヒノギャラリー)
1993 「<かたまり彫刻>とは何か」(エスパスOHARA)
1994 「21世紀・的・空間」展(セゾン美術館)
1995 第5回タカシマヤ文化基金新鋭作家奨励賞受賞
    「Grace&Gravity」(オハイオ・ライフギャラリー)
1996 「手の復権 道具と美術」(神奈川県立近代美術館)
1997 「ASIAN ART BIENNALE BANGULADESH1997」
     (バンクラデッシュ・ダッカ)
1998 「現代美術というジャンル」(佐倉市立美術館)
2000 「シリーズ ART in Tokyo No.12崇高と労働」
    (板橋区立美術館)
    個展(かわさきIBM市民文化ギャラリー)
2002 個展「七つの泉と一つの沼」
     (ヨコハマポートサイドギャラリー)
2003 個展「沼一相聞」(ヒノギャラリー)
            ほか個展・出品展覧会多数

作品名 沼
制作年 2002
寸 法 h49.8×w9l.2×d91cm
材 質 鉄
発 表「多和圭三展  
七つの泉と一つの沼」
ヨコハマポートサイドギャラリー
中原悌二郎賞優秀賞  
青木 野枝/玉鋼−V
AOKI Noe/Tamahagane−V

受賞の言葉
 私が作品をつくるうえで最も影響を受けたのは、北方少数民族といわれる人々のつくったものです。ものだけが美しいのではなく、つくった人々の生活が美しいのだと思う。そしてそれは土地に根ざした生活だった。
 いまでも北の地に立つと、風や光が他とはまったく違うのがわかる。私にとって約束の大地はここなのだ、と思う。
 今回、幸運にも、北海道でこの賞を頂けたのは、私にとって大きな意味があると思います。
 自分がこの世界にいる間、この世界に出現させたいもの、それをつくり続けていきたいと思っています。

青木 野枝 略歴

1958 東京に生まれる
1981 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業
1983 武蔵野美術大学大学院造形研究科修了
1989 「ユーロパリア1989ジャパン現代日本彫刻展」
   (ベルギー・ミデルハイム野外彫刻美術館)
1990 「作法の遊技190春・美術の現在」(水戸芸術館)
1992 「語り出す鉄たち−今日の金属彫刻から」 
    (東京都美術館)
1994 「SHFSEIDO GALLERY ANNUAL'94 青木野枝」
    (資生堂ギャラリー)
1995 「近作展一青木野枝展」(国立国際美術館)
    「視ることのアレコリ一1995・絵画彫刻の現在」
    (セゾン美術館)
1997 第9回倫雅美術奨励賞(創作部門)受賞
1998 「インサイド/アウトサイド一日本現代彫刻の8人」
   (新潟県立近代美術館)
2000 平成11年度芸術選奨文部大臣新人賞受賞
    「青木野枝展一軽やかな、鉄の森」
    (目黒区美術館)
2001 「ヴァイブレーション結びあう知覚」(宇都宮美術館)
   個展(ソウル・KEUMSAN GALLERY)
    「椿会展2001」(資生堂ギャラリー、'02、'03も出品)
2002 「アートドキュメント2002森の精三人展」
    (金津創作の森)
     「美術の力―時代を拓く7作家」
    (兵庫県立美術館)
2003 「青木野枝―熊と鮭に」(国際芸術センター青森)
                ほか個展▲出品展覧会多数



作品名 玉鋼−V
制作年 2002
寸 法 h310×¢307cm
材 質 鉄
発 表「アートドキュメント2002 森の精三人展」
    金津創作の森
 これまでに受賞された方々

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